小児耳鼻咽喉科

お子さんの診察・よく行われる検査について

耳垢があると耳の奥や鼓膜が見えませんので痛くないように取り除きます。鼻水が出るので受診された場合でも、耳を見ると中耳炎になっていることはよくあります。当院では症状に関係なく、みみ・はな・のどは診察させていただいております。みみは詳細な観察ができる顕微鏡を使用しています。

耳と鼻の奥は耳管でつながっています。耳管には、中耳の換気をしたり、余分なものを排出したりする役目があります。子供では、もともと耳管の働きが未熟ですが、鼻副鼻腔炎アレルギー性鼻炎アデノイド増殖症などの病気があると、さらに働きが悪くなります。耳管の働きが悪いと、まず中耳の気圧の調節ができなくなり、気圧が低くなってしまいます。さらに、滲出性中耳炎という、中耳に液体の貯まる中耳炎になってしまうこともあります。また、急性中耳炎も繰り返しやすくなります。

ティンパノメトリーとは、この中耳の状態を調べる検査です。

器械を耳の穴に密着させて、空気圧の変化を作り、鼓膜の動き具合を調べます。気圧の変化を作るため、飛行機に乗った時のような耳がツンとする感じがありますが、片側数十秒で終了する簡単な検査です。

結果はその場で見ることができます。

健常者では、0付近にピーク(鼓膜が振動しやすい状態)があります(A型)。

鼻づまりや鼻すすりをしていたり、アデノイド増殖症のため圧調整ができていない場合、鼓膜は引っ張られています。ティンパノメトリーでは、マイナスの方向にピークが移動します(C型)。

滲出性中耳炎などで、中耳に滲出液が溜まっている場合や、鼓膜が癒着している場合はピークが消失します(B型)。

はじめに鼻の入り口を診た後に、鼻の中を診ます。
ご家庭で鼻や目をこすっていたり、目やにが出ていたり、湿った咳をしていたり、鼻をすすっていたら教えてください。観察の邪魔になるかさぶたは治療もかねて吸引除去します。詳細な観察が必要な場合は小児用ファイバースコープ(直径1.8mm)で観察することがあります。

副鼻腔炎の原因菌は?

2週間以上続く黄色や緑色の鼻水は細菌感染が疑われます。そのような場合、原因となる細菌を特定するために細菌培養検査を行うこともございます。培養の結果、細菌が同定できた場合、薬剤感受性検査(どんな抗生物質が効果があるかを調べます)を行っております。
鼻副鼻腔に炎症があり、鼻汁が貯留した状態が副鼻腔炎です。副鼻腔炎を評価するためにはレントゲンやCT撮影,小児用ファイバースコープで観察することがあります。ファイバースコープは「泣いているのにかわいそう」「残酷だ」と思われるかもしれません。しかし、ファイバースコープにより鼻腔内の状態を直接確認することで不必要な抗生剤投与を避けるためには重要な検査のひとつと考えています。ただしどうしてもファイバーがいやな場合にはお申し出ください。 

アレルギー性鼻炎の原因は? 

アレルギー性鼻炎の原因は鼻水を採取し、鼻汁中好酸球の有無を調べたり、採血や鼻粘膜誘発試験、スクラッチテスト、プリックテスト等のアレルギー検査をすることでわかります。血液検査は静脈から採血する方法(最大39種類)と指先から数滴の血液を採取し検査する方法(最大8種類)も採用しています。
血液を採ることが難しい小さいお子さんでも検査することが可能です。ぜひご検討ください。

のど

舌圧子を使用して舌、頬粘膜、口蓋扁桃(扁桃腺のこと)、咽頭、鼻水の流れ込みがないかを観察します。
乳幼児では口を開けて泣いている間に観察することもあります。アデノイド増殖症など鼻の奥の病気、小児声帯結節声門下喉頭炎(クループ症候群)急性喉頭蓋炎などのどの奥の病気疑う場合は小児用ファイバースコープ(直径1.8mm)を使って観察します。「泣いているのにかわいそう」「残酷だ」と思われるかもしれません。
しかし、のどの奥の病気は「窒息」という危険をはらんでいます。お子さんが危険な状態でないか確認させてください。

頸部

耳・鼻・のどを観察し、腫れている部分がないか触って調べます。
腫れている部分を超音波検査で調べることもあります。超音波検査に痛みは伴いません。

咳が出ているお子さんは胸部の聴診を行います。ロンパースのボタンを外すなど、すぐに胸が出せるようご準備お願いいたします。

鼻や咽喉頭の治療

超音波ネブライザーには鼻やのどの粘膜の炎症を和らげる薬液が入っています。霧状になった薬液を吸入していただき、鼻やのどの環境を整えます。

子どもの耳・鼻・のどの病気の特徴

小児耳鼻咽喉科では、お子様の耳、鼻、のどの診療を行います。
お子様の耳、鼻、喉の各器官は細く小さいため、成人の方の診療以上に細やかな対応が求められます。また、各器官が影響しやすい関係にあり、鼻の症状であっても同時に耳、のどの全体を診療する必要があります。
当院では、年齢に応じた免疫の強さ、発症のリスクを考慮しながら、万が一の急変にも万全を期した体制で診療を行います。
お子様の耳、鼻、のどの病気・症状でお困りのときには、当院にご相談ください。

子どもの鼻かぜで耳鼻咽喉科を受診するメリット

お子様が風邪をひいたときに保護者様がまず思い浮かべる診療科は、内科や小児科かもしれません。
しかし耳、鼻、のどを診る耳鼻咽喉科でも、風邪の診療は行っております。特に鼻の症状が強い鼻かぜをひいたとき、耳鼻咽喉科を受診することには、以下のようなメリットがあります。

鼻水や痰の吸引が受けられる

鼻水や痰を吸引除去し、お子様の不快感を取り除きます。ウイルスを一緒に除去できることはもちろん、呼吸が楽になり、睡眠の質が上がることもあり、風邪の治りが早まります。

西洋医学と東洋医学を組み合わせたハイブリッド治療が可能

当院では、漢方治療にも対応しております。
必要・ご希望に応じて、漢方を処方いたします。発熱に対する高い速効性を示すものもございますので、お気軽にお申し付けください。

耳の状態も診てもらえる

耳の症状がなくとも、耳の状態を確認します。風邪をきっかけとした急性中耳炎などを見落とすこともありません。

耳掃除をしてもらえる

必要・ご希望に応じて、耳掃除もいたします。ご自宅での耳掃除が不安な方は、受診の際にお気軽にお伝えください。
もちろん、健康なときに耳掃除だけを頼みたい、という場合にも対応します。

院長は抗菌化学療法認定医であるため抗生物質の適正使用を心がけています

抗生物質は、細菌に対して効果があるものです。風邪の原因のほとんどはウイルス感染ですので、抗生物質の投与での効果は期待できません。それどころか、下痢や発疹などの悪影響を及ぼしたり、耐性菌を生み出したりといった事態を招きます。

当院では、このようなリスクがあることを肝に銘じ、抗生物質の適正使用に努めております。病状の経過や全身状態、局所の所見などを観察し、必要と判断したときのみ、使用いたします。ただし副鼻腔炎や中耳炎につきましては長期投与になることがございますが、投与する抗菌薬の種類や量、投与期間は、十分に考慮して処方しておりますので、ご安心下さい。

少しでもご不安な点がございましたら、その場でお気軽にお尋ねください。

子どもがかかりやすい耳鼻咽喉科の病気

鼻水、鼻詰まり、咳、くしゃみ、耳の痛み、耳を気にする、声がれ、呼んでもきこえていない、いびき、睡眠時無呼吸といった症状、様子の変化などがございましたら、お早目にご相談ください。

  • 急性中耳炎
  • 滲出性中耳炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 扁桃肥大
  • 副鼻腔炎
  • アデノイド肥大

  • 習慣性扁桃炎

  • 学童結節

小児耳鼻咽喉科についてQ&A

子どもの耳垢がベタベタしています。何かの病気でしょうか?

カサカサした耳垢の人と、ベタベタした耳垢の人がいます。この違いは優性遺伝によるものですので、親から子へと遺伝することが多くなります。
耳垢がベタベタというだけで心配する必要はありません。ご安心ください。ご不安が残るようでしたら、一度ご相談ください。

子どもの耳掃除は、どのように、どれくらいの頻度で行えばいいえでしょうか?

大人の耳にも子どもの耳にも、耳垢を自然と外へと排出する自浄作用が備わっています。ですので本来は、耳掃除は必要ないくらいです。気になる場合も、1カ月に1度程度に留めましょう。
そして耳掃除の方法ですが、特にお子様の場合はご自宅でなさることはおすすめできません。お子様が不意に動き、皮膚や鼓膜を傷つけてしまうおそれがあります。傷つけないためには竹の耳かきより綿棒の方が良いのですが、綿棒は綿棒で、耳垢を奥へと押しやってしまうことがあります。
専門家である医師に、専用の道具を使って、明るい中で耳掃除をしてもらうのがもっとも安全です。耳掃除だけでも受診していただけますので、どうぞお気軽にご相談ください。

親は、子どもの難聴をどうやって見つければよいのでしょうか?

2歳を過ぎても言葉が出ない・出にくい、ということがあればお早目に耳鼻咽喉科を受診してください。
手を叩いたり大きな音をたててもそちらを見ない、後ろから名前を呼んでも反応しない、テレビの音量が以前より大きくなっているといったときにも注意が必要です。

風邪をひくたび、と言っていいくらいにしょっちゅう急性中耳炎になります。予防する方法はありませんか?

風邪をひかないことが、最大の予防になります。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な外遊び、小まめな手洗い・うがいに努めましょう。部屋の換気も大切です。
と言っても、どうしても風邪をひいてしまうことはあります。そうなったときには、風邪を早く治すことが重要になります。軽い風邪だから、そのうち治るからと甘く見ず、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

子どもがよく鼻血を出します。何かの病気でしょうか?

鼻づまりが気になったり痒みを感じると、子どもはあまりまわりの視線を気にせず、鼻をいじります。そのため、鼻血も出やすくなります。そしてその鼻づまりや痒みの原因がアレルギー性鼻炎などの病気である可能性は、十分に考えられます。
白血病などの血液の病気を心配される保護者様もおられますが、これは滅多にないことです。しかし気になるようでしたら、一度ご相談いただければと思います。

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